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インターナショナルヘルスケアクリニック様(院長・鷲尾 美香氏 インタビュー)
「外国人材が“安心して日本で働く”ために——医療の現場から見える本当の課題と、企業に求められる支援とは」

日本で働く外国人材が年々増加する中、企業には就労手続きや住環境整備だけでなく、「健康」という側面でのサポート体制構築が強く求められています。
今回、エンプラス株式会社と業務提携を行ったインターナショナルヘルスケアクリニック。その院長である鷲尾美香氏に、外国人材が直面しやすい健康課題、医療現場から見える日本特有の問題点、そして企業が果たすべき役割についてお話を伺いました。
Q1. 日本で働く外国人材は、どのような健康課題を抱えやすいのでしょうか?
鷲尾氏:
一番多いのは、やはりメンタルヘルスの不調です。
家族や親しい友人と離れ、言語や文化、働き方、食生活など、生活のすべてが大きく変わります。その結果、不安や不眠、意欲低下、パニック症状、強い倦怠感を訴える方も少なくありません。
また、日本での働き方、特に上司や同僚とのコミュニケーションにうまく適応できず、強いストレスを抱えるケースも多く見られます。
Q2. メンタルヘルス以外で、注意すべき点はありますか?
鷲尾氏:
感染症と生活習慣病は、企業側にもぜひ認識していただきたい点です。
例えば感染症については、結核検査は制度上行われていますが、麻疹・風疹などの抗体価やワクチン履歴まで十分に確認されていないケースが多いのが実情です。
また、日本脳炎ワクチンなど、日本に住むにあたり必要なワクチン接種に対する知識がないまま来日される外国人材も少なくありません。
生活習慣病についても、日本のように定期健診や簡単に診察を受けられることがない国も多く、来日後に糖尿病や高血圧、高脂血症が初めて見つかるケースもあります。
「症状がないから大丈夫」と放置し、重篤な状態に至ってしまうこともあるため、日本人と同様に健診を受けることの重要性を丁寧に伝える必要があります。
Q3. 医療制度の違いによる戸惑いも多いと伺いました。
鷲尾氏:
はい。日本の医療制度は、日本人でも分かりにくい部分がありますが、外国人にとってはなおさらです。
海外では、まずGP(かかりつけ医)を受診し、紹介状を持って専門医へ行く仕組みが一般的な国も多いです。一方、日本では紹介状なしで専門クリニックを受診できるため、その仕組み自体を知らない方もいます。
また、
・健康保険がどこまで適用されるのか
・健康診断やワクチンも保険でカバーされると誤解している
・診察時間が短く、十分に理解しきれない
といった「制度×言語」の壁が重なり、不安や不信感につながるケースも見受けられます。
Q4. 企業は、外国人材の健康面についてどのような支援ができるでしょうか?
鷲尾氏:
ポイントは「来日前」と「来日後」の両方です。
来日前には、
・日本で生活する上で最低限必要なワクチン接種
・健康診断の実施
・持病がある場合、日本で同じ治療・薬が継続できるかの確認
特に、ADHDの治療薬やホルモン治療など、日本では処方制限や保険適用の課題があるケースもあり、事前確認が重要です。
来日後については、
・相談できる窓口があること
・母国語または英語で医療・メンタルヘルス相談ができる環境
この2つがあるだけで、安心感は大きく変わります。
Q5. メンタルヘルス支援で特に重要な点は何でしょうか?
鷲尾氏:
外国人の場合、言語だけでなく「その人のバックグラウンド」を理解した上でのケアが欠かせません。
生活相談やカウンセリングを、母国語や英語で受けられる環境があれば、不調の初期段階で気づきやすくなります。
また、国籍にもよりますが、日本人と比較して、不調が表情や行動に出やすい方も多いため、企業側が「異変に気づきやすい」仕組みづくりも大切だと感じています。
Q6. 最後に、外国人材を受け入れる企業担当者へのメッセージをお願いします。
鷲尾氏:
外国人材と働くということは、「すべてが違う」前提に立つことが大切です。
言語だけでなく、価値観や考え方、生活習慣を理解し、受け入れつつも、日本で働く以上、日本の働き方やルールをきちんと伝え、教育していくことが必要です。
日本に来る前から、日本での働き方を説明し、来日後は気軽に質問・相談できる環境を用意する。
この積み重ねが、早期離職の防止や、長期的な活躍につながると考えています。

エンプラスとインターナショナルヘルスケアクリニックの業務提携は、こうした「生活」と「医療」を分断せず、包括的に支えるための取り組みです。
外国人材が安心して働き続けられる環境づくりを、企業とともに支援していきます。
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